【同人レビュー】「今夜、夫の上司に抱かれに行きます・・・」(まぐろ珈琲)

「今夜、夫の上司に抱かれに行きます・・・」レビュー・感想


まぐろ珈琲のオリジナルコミック「今夜、夫の上司に抱かれに行きます・・・」が配信されました。社内恋愛の末に結ばれた元上司の妻が社長の息子にして嫌悪感満載の男に寝取られる話。


難病を患った娘の治療費を稼ぐため日夜仕事に励む旦那が日に日に窶れてゆく姿に、妻の柚月は身を案じていた。そんな折に彼女の元上司にして旦那の現上司、そして社長の息子である木場 道雄から『旦那を首にされたくなければ俺と寝ろ』と脅迫を受け始める。

旦那が首になれば治療費は賄えない。それどころか旦那まで...。あんな男に身を差し出すのは死ぬほど嫌だ。でも今は私一人の問題ではない。家族の命運が掛かっている。脳裏に浮かぶ旦那の姿。治療費を稼ぐために心血注いで頑張ってきた旦那の姿。今まで断固として拒絶してきた柚月は、回避不能な木場の脅迫に決断を迫られていた。

愛する娘と旦那のため、今夜、夫の上司に抱かれに行きます・・・。


前半部(約20ページ)は、妻と主人公の人となり、馴れ初め、絆の深さ、間男の嫌悪的イメージの植え付け等、後に控える間男と妻の攻防に向けての準備、”妻は何故寝取られたのか?”に当たる”過程”が描写されています。同人誌1冊分ほどの決して少なくないリソースを割いてまで”過程”を疎かにしない作者様の(創作に対する)姿勢に好感が持てます。

しかしそれは非18禁描写が全体の1/3を占め、必然的に18禁描写までの道のりが長くなるという意味でもあります。人によってはパターン化された展開(過程)の必要性に懐疑を感じたり、ページ数の割には18禁描写が薄い、導入部の必要性は理解しているが聊か長すぎると感じるかもしれません。


蛇蝎の如く嫌悪していた権力だけが取り柄の間男に好き勝手弄られて、その度に感じてしまう自分に嫌悪して屈辱を覚える妻の姿はなかなかにそそります。しかし本作は”旦那に黙って妻を寝取る”シチュエーションに留まらず、間男の粋な計らいで”妻の痴態をリアルタイムでお届けする”ライブチャット形式のシチュエーションが用意されています。旦那は妻の痴態を垣間見てしまいますが、妻は己の痴態を”旦那に見られている”ことは知りません。


心底嫌っている男のモノで喘ぎ、惚け顔を晒して、腰を振らされながらキスを強要されて、挙句の果てに膣内射精と同時に絶頂する妻の痴態を最初から最後まで見守ることしかできない敗北感を最大限に味わうための粋な計らい。この傷口に塩を塗り込む感覚がたまりません。

ここまで賛否両論といった所感ですが、続編の予定がないにもかかわらず続編を匂わせるような”未完”と捉えられてもおかしくない結末は流石に擁護できません。非道な仕打ちに復讐の闘志を滾らせて殴り込みに行くも妻はすっかり堕ちていて膝から崩れ落ちる...なら結末として受け入れられるが、「非道な仕打ちに復讐の闘志を滾らせて」の部分で終わられると尻切れトンボ感は否めません。何にせよ勿体無い作品でした。

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