【同人レビュー/ネタバレ】「カラミざかり」業界屈指の作品(桂あいり)

【オススメ】「カラミざかり」レビュー・感想


桂あいり先生の主人公視点・オリジナル同人CG「カラミざかり」が配信されました。好きな女を別の男に取られる状況が薄暗い気持ちにさせる。NTR、スワッピングに酷似した状況だが、決してNTRでもスワッピングでもはない。好いた女は片想い、ましてや友達ですらない。だというのに、胸が張り裂けそうな痛みを伴うのは何故だろうか。理解できるけど理解したくない、眼前の現実を受け入れられない。そんな目を背けたくなる気持ちでいっぱいになる作品です。

カラミざかり


あるクラスメイトの男女4人(山岸<主人公>、吉野<坊主頭・男友達>、新山<金髪・クラスメイト>、飯田<黒髪・片想い>)は、いつも他愛もない会話で学校生活を過ごしていた。ある日、新山が男子の他愛もない猥談「オナホを購入した件について」を耳に挟んだ事が切っ掛けで、吉野の部屋に訪れることに。初めて見る大人の玩具を前に興味津々な新山。彼女の要求「それを使ってオナニーをして欲しい」が呼び水となり、多感な彼らはついに一線を超えてしまう…。日常、好奇心、片想い、そしてセックス。彼らの身体と心は複雑にからまり合う。

カラミざかり


彼らの絡みは扇情的の一言に尽きます。例えば序盤のオナホ扱きシーン。ボタンを外し、ブラに手を入れ、乳首を摘む”順を追った”描写に加え、オナホ扱きしながら胸を揉みしだく刺激的な描写の連続。男の愛撫で密かに感じるヒロインの構図を”客観的視点”から描写することで、行為が絶妙に暈かされて、その光景に釘付けにさせられるわけです。二人の熱気がこちらにまで伝わってくるような臨場感があります。

経験豊富で垢抜けてそうなヒロインが普段バカにしている男の愛撫に余裕を失い、生娘らしい初心な反応を見せ始める意外性も相俟って劣情に拍車が掛かります。そんな彼女が、射精後に精液の処理で困る男にお掃除フェラで綺麗にしてあげると「きれーにしてやったぞ」と嬉しそうな表情を覗かせる。それはもう滾るような情動に身を任せて、押し倒したくなる吉野の気持ちは察するに余ります。この一幕からも描写の繊細さが伝わってくるかと思います。

そして問題はここから。

セックスが終わると気恥ずかしくなった吉野は「お前らも来いって!」と2人(山岸・飯田)を強引に誘い...。中盤から好きな女を別の男に取られる状況が薄暗い気持ちにさせる作品へ変貌する。NTR、スワッピングに酷似した状況だが、決してNTRでもスワッピングでもはない。好いた女は片想い、ましてや恋人関係でもない。だから目の前で"片想いの女と別の男が絡み始めた"としても、それこそ”恋人にするような濃厚なキスを交わした”としても、道理に背くような行為ではないわけだが...。でも何だろう。このモヤモヤは。男友達にも悪意があるわけではないのに、モヤモヤが一向に収まらない。自分だって別の女に気持ち良くしてもらっているのに、その行為が快楽が一切頭に入ってこない。目の前の光景が受け入れられないのに、目が離せない。

カラミざかり
カラミざかり


それに女の方も抵抗しようとしない。彼女もまた場の雰囲気に宛てられて、流されているからだ。親友の悪意のない行為、自分以外(主人公)の人間のソレで感じる彼女の淫らな姿が齎す薄暗い感情・絶望感、清楚な印象を裏切る意外な一面。それがまた、劣情を煽り立てるわけです。

親友の裏切りを特別視するわけでもなく、あくまでも悪ふざけとして、日常の延長線上の出来事として描かれているのがまた良い。描写を見逃しそうな自然過ぎる流れ。目の前の光景を飲み込めず、読み返して理解した瞬間の鈍器で殴られたような強烈な痛みに悶絶し、絶望するわけです。この絶望感が病みつきになる。後を引く。出来ればもう読みたくないほど精神的ダメージが大きいのに、つい読み返してしまう。そしてまた絶望する。この繰り返しです。傷口に塩を丹念に塗り込みたい方には堪らない作品でしょう。

完全に意表を突かれました。これは紛うことなき秀作です。それも今年度の作品で5本の指に入る屈指の作品。NTRでもスワッピングでもない同人らしい斬新な作風。全力でオススメします。

しかもこの作品はまだ序章に過ぎません。4人の関係がどう絡み合い、捩じれていくのか。今後の展望から目が離せない作品になりそうです。

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