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「ニルハナ」感想

2018/09/04
 
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kyarun20
作者に想いを届けたい。そんな気持ちからレビューサイトを立ち上げました。同人CG、同人ゲーム、エロゲーのレビューを毎日更新していく予定です。

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良い作品ですね…凄く。
食わず飲まずで一気に駆け抜けてしまいました。頭の中で何度も咀嚼しながら読んだ分、もの凄い時間かかったけど、それだけ読ませるテキストだったのもまた然り。これが最終作と思うと…凄く寂しいです。

▼ニルハナ

ニルハナについて私の中で三つの説がありました。

 

・「ニルハ」と「ナ」ームでニルハナ

・「ニル」ヴァーナと「ハナ()」でニルハナ

・「ニル(nill)」と「ハナ()」でニルハナ

 

一つ目は安易に「ニルハ」と「ナーム」という登場人物が鍵となることから「ニルハナ」だとする考え。

 

 

二つ目は作中に仏教の話があったので 涅槃・「ニルヴァーナ」と「ハナ」はそのまま花で(理由は後述)で「ニルハナ」という解釈。

 

(初期設定では「ニルハ」と「ナーム」がサリーを着用していたらしい)

 

 

三つ目は、この作品は「インド」をモチーフにした描写・構図・題材が登場していることから(作中で「マユ」が預けられた孤児院・サリー・仏教等)

 

「ニルハナ」はヒンディー語ないし印欧語根(インド・ヨーロッパ語族に属する言語)の言語で構成されているのでは?という考えから

Nill嫌を表す単語と「花」はそのままでニルハナという解釈。個人的にはこれが一番しっくり来ている。

 

 

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「似ている花をたくさん集めて、その蜜を吸うんだぁ。空っぽの心を大きな感情のうねりで満たしたら・・・幸せなんじゃないかなぁ・・・・」

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この時の似ている「花」にあたるのが「クレハル」と「テマリ」の嫌な過去・感情である解釈からそのまま「ニルハナ」とする考え。

 

 

 

▽「Nill(/拒絶)

 

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「貴様に触れられるなんてごめんだ、ぬらついた慈しみを向けられるのはごめんだ!貴様は私を捨てたじゃないか!それで自分だけのうのうと生きようと・・・・・・っ、嫌だ、嫌だ嫌だっ!!」>>

この時の貴様は「マユ」、私が「ユウ」であり、捨てられたのは「ユウ」を指す。

 

▽花(ユウ)

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「私は・・・・・・咲かない花と同じだ」

>> 

 

ユウが自分を「咲かない花」と称したことも「花」はそのままでニルハナと解釈した理由の一つです。

 花を「ユウ」だとすると、拒絶された花(感情)で「ニルハナ」とする考え。

 

 

ここまで考えておいてアレですが、答えは設定資料集に記載されていました。

ニルは(否、嫌だ)を意味する「NILL」、ハナはそのまま「HANA」からニルハナ。

あながち間違いでは…ないはず。

 

 

 

▼物語

▽作者の想いを反映させた「ニルハナ」

 

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「逃げて、何がしたかったと言えば、また物語を作りたかった。だというのに・・・・・・書けないんだ。一文字も・・・・・・」

「なにか、なにか紡ぐべきで、それをしなければ生きていけないという情熱と焦燥が確かにある。あるのに、なにも書けない・・・・・・」

>> 

 

 

私はこの物語を筆者自身の創作に対する想いを(自身の体験をもとに)反映させたような作品と捉えています。というのも、作中で語られる創作論の節々から、苦悩・葛藤といった生々しい感情を感じたからです。

 

 

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「書くことで救われた。いろんなことがあったけれど・・・・・・書いて、外に発信して・・・・・・それが誰かに受け入れられてる。そう思うと・・・許せる気がしてくるの」

「暗い感情は、エンジンみたいなもの・・・・・・報われたい。自分を救いたい。そういう気持ちが力強くなるの。文字を綴る力が・・・・・・」

>> 

 

創作は辛いことだけでなく、創作によって「救われた」というメッセージを、マユを通して伝えたかったようにも思えます。

 

 

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「書いている自分自身を認めてほしいって気持ちと、作品を愛する気持ちは・・・・・・分けて考えないとだめね」

「私は私を大切にするけれど・・・・・・作品は、いろんな人に大切にしてもらいたい。それなら負の感情だけじゃだめ・・・・・・愛さなきゃ。奉仕の気持ちになることよ、なんて・・・・・・ふふっ」

>> 

 

また「今までの創作活動を、キャラクターを通じて振り返る」ような、筆者自身の創作に対する想いを反映させたような感じが集大成らしいと感じてしまいます。それはそれで、寂しくもありますが…。

 

 

 

▽読み手にとっての「ニルハナ」

読み手視点で言えば、タツヤ・リュウヤが「他人の負の感情で暖をとる」のなら、この作品を愉しめた我々は「登場人物の不幸の蜜を啜る」ということで「彼らを揶揄する君らもまた、同じ穴の狢なんだよ」と遠回しに言われているように感じました。私自身、どうもタツヤ・リュウヤのことが他人事と思えないというか、彼らの悪癖に身につまされるように感じたのも、結局は根幹の部分で共感できてしまうからなんでしょうね。他人の不幸は蜜の味とはよく言ったものです。故に、序盤のユウのタツヤに向けた罵声はとても他人事とは思えず、心が抉られるような思いをしました。

 

 

 

▼マユとリュウヤ / ユウとタツヤ

ユウとタツヤ(カスリとタツヤ)の対を成す存在。本来なら澄田とマユだが、澄田さんはドロップアウトされました。非常に悲しい。

さて、本作の主人公は「タツヤ」であり、カスリとタツヤに焦点が置かれているわけだが、ここだけの話、マユとリュウヤの関係の方が気になってしまったというか、目が離せなかった。

確かにカスリとタツヤの間に愛情はあったかもしれないが、合理的な関係というか共依存というか精神安定の側面が強すぎて、依存性を愛情と錯覚しているのでは?と疑問に思ったほど。一見善人に見えて、実は他人の感情に寄生する裏を持ち合わせるタツヤの二面性が、余計にそう思わせるのかもしれません。

 

 

 

対してリュウヤがマユの関係は一方通行。リュウヤがマユに取った行いは結果的には、酷なことで「マユを想う気持ち」は「強姦魔を灰皿で殴り殺してしまうほど」愚直だが、「マユのために生きる気持ち」は真っ直ぐで、一貫していた。

 

ボタンの掛け違えで憎悪の対象になってしまったが、だからこそ「マユの為に生きる」ことができたように思いました。なんというか、幼少期のマユを見る目が強姦魔のソレと似たような感じだったので、あのまま結ばれたとしてもリュウヤ君の方が狂ってしまいそう。

 

 

あとマユとリュウヤを語る上で「慈しむ」というシーンは避けて通れないと思う。

 

澄田さんの死によって堰を切ったように流れ出た一方的な「慈しむ」感情。マユにとっては強姦の何物でもないが、リュウヤにとっては、それすら「慈しむ」行為なのだろう。

それ故に穏やかなBGMが耳朶を打つ。あに合わない穏やかなBGMは、きっとリュウヤの頭の中で流れているからなんでしょうね。

結局のところ、マユがリュウヤを許すことはなく、また身体を許した理由も「愛」ではなく「安らぎ」の為という何とも歪な関係。

 

(「くちうつし、夢」と「くちうつし、欲」のシーンが同意の上の行為に見えるのは、ユウという憎悪の体現を拒絶した為。)

 「愛」はなく「安らぎ」の為に身体を許す二人の関係性の歪さを如実に表したかなり印象的なシーンでした。

 

リュウヤは「死んだ方が世のため人のため」と言わざるを得ないほど、どうしようもないクズだが、クズにはクズなりの事情があって、その上で「他者を想う気持ち」が純愛として描かれていた。そこに強く惹かれた。

 

 

 

▼クレハルについて

感情の代理人として用意された、テマリ同様に舞台上の駒のような存在…という印象でした。

クレハルの(生前の)背景は本作では語られることがなかった。分かる範囲だと胎児と共に心中、ニルハの魂を宿した死者…ということぐらいだろうか。プレイ中は意図的に謎めいた存在にされているような感覚が拭えなかった。

 

 

(設定資料集を読んで)

 

私はゆにっとちーずの作品に触れたのは本作が初めてだったので、クレハルの正体には気付かなかったのですが、過去作の登場人物・設定を織り交ぜたり、設定資料に過去作についての記事があったり、そういった「過去」からのファンを大切にする暖かさを感じました。(というより過去作プレイ済みでも気付かないかも・・・?)

 

 

 

▼シーン描写

どのシーンも好きですが、個人的に「くちうつし、夢」と「くちうつし、欲」この2つがツボでした。最初は「兄妹による近親相姦」という背徳感ゆえの興奮、攻略後は「憎悪の対象だった兄に善がる妹」というギャップゆえの興奮と二重の魅力がありました。というよりロリ体型が堪らなく好き…。こんなの見せられたら、リュウヤだけじゃなく僕だってマイメロのパンツを履かせたくなりますよ。

 

 

 

とりあえず、この記事ではここまで。続きは再プレイ後に書きます。

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