【同人レビュー】「性処理メイドの冥ちゃん」(サークル影武者)

「性処理メイドの冥ちゃん」レビュー・感想

性処理メイドの冥ちゃん


サークル影武者のオリジナル同人CG「性処理メイドの冥ちゃん」が配信されました。「セクサロイドが満ちゆく星で」シリーズの続編です。一応続編ですがこの作品から読んでも問題ありません。愛し合うことが失われた世界で、それでも愛を求め合う二人の男女の物語。ド直球な純愛モノです。セックスの敷居が低い世界だからこそ、純愛という題材が心に響きました。

前作を読んだ方には分かると思いますが、設定がとても細かいです。同人CGとは思えないほどよく練られています。だからこそ、この人にしか書けない強烈なオリジナリティーがあり、これだけの世界を生み出す情熱があり、物語には心を打つものがありました。心の底からこの人の作品だからこそ手に取りたいと思わせる暖かい作品です。読み終えた頃にはきっと「セクサロイドが満ちゆく星で」シリーズの虜になることでしょう。


種の存続に特化しすぎた世界


物語の舞台は異星人の侵略として送り込まれた生殖機能を有さない性処理擬態(セクサロイド)により男女の価値観が逆転した世界。生殖機能の無い擬態との性交渉により一時期は人類滅亡の危機に晒されたものの「種の存続」に特化した法整備がなされ、現在ではセクサロイドが淘汰されています。

しかし、依然として男女の価値観は覆らず、また「種の存続」の効率を重視しすぎるがあまり、無機質な世界へと変わってしまいました。この世界では子供の大半は親からの愛情を受けずに育ち、親もまた我が子を抱きとめることすらしません。大半の男は生身の女と性交渉しようとせず、清潔なセクサロイドを選びます。仮にしたとしても、そこに”愛”はありません。愛し合う男女の貴い行為も、ただの性処理行為に過ぎないのです。


本作は、そんな無機質な世界で「有象無象の候補から理由もなく後継ぎとして選ばれた少年」と「不妊体質に行く手を阻まれ望まない進路を歩み続ける少女」の存在意義を見失った二人の男女が、性交渉の敷居が低い世界観らしくセックスを通じ、本当の”愛”を知ることで存在理由を見つける話です。「評価されないは無価値」という考えからの脱却がテーマの刺さる人には刺さる作品となっています。

今回はメインではないので割愛しますが、この世界にはサキュバスと呼ばれるセクサロイドの台頭により排斥された数奇な人種がいます。そんな憐れなサキュバスの母娘を救う物語が前作「物乞いのサキュバス母娘を見つけたから苛めてやることにしたWw」でした。情愛溢れる素晴らしい作品なので気になる方は是非。


”愛し合うこと”が失われた世界だからこそ純愛が尊い


二人は本来、無機質な関係のまま終わる筈でした。セクサロイドを匿った罰として、一定期間性処理官(精指導を目的とした人)の指導を受けることを義務付けられた主人公とその指導員として選ばれたヒロイン。まるで先生と生徒のようにどこまで行っても平行線のような関係です。

奇しくも主人公はヒロインに一目惚れして告白するものの、ヒロインは完全に仕事と割り切ってまともに取り合おうとしません。この関係は一時的なもので、期間が終わればまた別の男を指導しなければならないからです。もちろんそんなことは主人公にとっても”当たり前の認識”で百も承知なわけです。しかし彼は諦めませんでした。どれだけ素っ気なくあしらわれようとも会う度に熱烈なアプローチを繰り返し、包み隠すことなく想いの丈をぶつけます。

普通の性処理官なら靡くことはなかったでしょう。任期満了で「はい、さようなら」です。ヒロインは誰からも評価されないが故に自己を無価値と考える人間です。存在意義を見失った迷子です。そんな彼女が自分を必要としてくれる存在、自分を肯定してくれる存在に靡くのは時間の問題でした。

ひたむきな主人公に段々と心を許していき、最初は拒絶したキスや中出しも受け入れ、めでたくゴールイン...とはいきません。彼女は無価値な自分が嫌いで、そんな自分を好きだと言ってくれる主人公のことが分からなかったのです。



「ご主人様は・・・セックスさせてくれるなら誰でも良かったんじゃないんですか・・・!?」
「私じゃなきゃいけない理由なんてどれだけ探しても見つからないんです・・・!」




自分は必要とされない無価値な人間だという考えは主人公も同じです。誰からも愛されることなく育ち、有象無象の候補から適当に(主人公はそう思っている)選ばれ、なし崩し的に後継ぎとなった彼の人生に自分を必要としてくれる存在など誰一人いなかったのですから。ですが彼はヒロインと時間を共有するうちにある事に気付きました。必要とされる関係はただの利害関係であって、それ以上でもそれ以下でもなく、僕たちを満たしてくれるものにはなり得ないのだと。だからこそ彼はこう告げます。



「理由なんか無くったってずっと一緒に居て欲しいんだよ・・・!!!」



好きになったら、理由なんて説明できない。それは現代にとっては普遍的な感情で、この世界の人類が失った掛け替えのない感情でした。本作の魅力はまさにそこにありました。誰とでもセ〇クスできる世界だからこそ、愛し合うことが失われた世界だからこそ、純粋な愛が何物にも代えがたく尊いのです。主人公と結ばれ、嬉し泣きするヒロインの姿に暖かいモノが心にじわぁっと広がって、目頭が熱くなってしまいました。この瞬間の感動は、この先もずっと忘れない。本当に心に響く作品でした。

肝心の実用性は...?


読み物としての側面が強い作品ですが、されども紛うことなき同人CG集です。1シーンあたり基本1枚、差分約16枚となかなかのボリューム。M心を擽るような事務的なセ〇クスに始まり、睦み合い愛し合う和姦セ〇クス、母性で溢れる赤ちゃんプレイ(手コキ授乳、赤ちゃん言葉多用)を経て、懐妊後のボテ腹セ〇クスに終わります。主人公が母性に飢えているので、赤ちゃんプレイに特化している印象を受けました。

他にも性指導者に対する戒めとして、使用済みコンドームを付けて公然に見せしめるといった世界観特有のエロ設定があるなど趣向が凝らされていて好感が持てます。

個人的に作画で抜くというタイプではなく、感情移入を誘ってキャラで抜くタイプの作品だと思っています。なので、如何に性処理メイドの冥ちゃんを好きになれるかが肝になってきます。作品購入を判断するのであれば、サンプル画像を参照するのも大事ですが、あらすじを熟読することを推奨します。

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